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コラム

2018.08.21

呼吸・整体実践の手引き

 自らの力で自らの心身を調和し、確固たる自分を発現させていくというのが呼吸・整体の本筋ですが、ちょっとまとめてみます。
 
1、呼吸のニュートラル®による仕分け作業
2、自然呼吸の実践による調和体験の実践
3、身体調整法の型の修得
4、身体調整法の型の進化(自然呼吸)
5、身体調整法から心身調整法への移行(生~納)
6、調和感覚での日常(呼吸のニュートラル®の深化)
7、養生思考の完成
 
 こんなところです。
 
 
1、呼吸のニュートラル®による仕分け作業
 とても面白い作業です。呼吸というのは身体にとって理か無理かを判断する有効な指標となります。
 
 呼吸のニュートラル®と今自分がしている日常における行為や思考とを照らし合わせてみて、自分にとって理に適っているかどうかを判断します。
 
 脳はOKでも、身体はNOという事は非常に多く、少なからずここである種の挫折感に苛まれます。
 
 しかし、ここはあくまで身体の言い分を拾いあげ、身体の言い分と脳の言い分をテーブルの上に並べるということが主であり、NOばかりで残念に思う必要はありません。
 
 自分の現状を知る、というのが第1ステップです。
 
 ここで重要な事は、理由付けをしないことです。呼吸を介して身体がNOと言っている現実から目を背け、脳でそれを続けるという正当な理由を作り出してしまうというものです。
 
 これはいつも言っているのですが、YESの理由は探せば見つかります。NOの理由も探せばいくらでも見つかります。
 
 ここで本当の意味で「自分がどうなりたいのか?」という真の願望がわかることになります。
 
 
2、自然呼吸の実践による調和体験の実践
 ここでは日常をどのような心身の状態で生きるか?という事を思考でイメージするのではなく、実際に心身を調和されるという体験を通して身体に記憶させていきます。
 
 心身調和というのは、思考優位、本能優位の引き算や延長線上にはありません。
 
 つまり、思考が優位に立ってしまったから思考を弱めるとか、本能的であるから思考をするとか、そういった加減の世界にはないということです。
 
 心身調和というのは心身調和という単独かつ独立した状態です。
 
 文字や説明の際に、比較として思考と本能という極を使いますが、あくまでそれは加減ではないという理解が必要です。
 
 思考と本能が両立した状態が人間としての調和です。
 
 従って、心身調和を体験するためには、思考と本能の加減ではなく、そのものを体験する必要があります。
 
 自然呼吸というのは、それ自体で思考と本能を両立した世界を現わしているもので、その体験をしていると、自然と調和状態に入ります。
 
 この体験を繰り返し、自己にインプットすることによって、日常において、どういった状態で生きているいけばよいのか?という目安になります。
 
 
3、身体調整法の型の修得
 呼吸・整体には様々な身体調整法の型が存在します。それぞれに作用の特徴があるのですが、ここでは割愛します。
 
 というのも身体調整法の型を修得するわけですが、本質的な学びは型自体というよりも、型の質にあります。
 
 但し、型の質という学びを入る絶対条件が、その型を考えずにスラスラと実践できるというレベルとなります。
 
 身体調整法の型の修得は、それ自体、型の持つ意味においての作用がありますので、それなりの身体的変化は感じますが、あくまで質的な学びの準備と捉えた方がよいです。
 
 
4、身体調整法の型の進化(自然呼吸)
 身体調整法の型を身につけた段階でその型を進化させる、つまり質的な学習に入る事ができます。ここからが身体調整法においての呼吸・整体の本編となります。
 
 ここからが身体調整法から心身調整法へと移行する分岐点となります。
 
 
5、身体調整法から心身調整法への移行(生~納)
 何をもって心身調整法というのかという事が極めて重要なのですが、人間というのは意図する事と感じる事、思考と本能が両立した状態で初めて人間として調和していると考えます。
 
 身体調整法においても、心身調整法に質的な移行をしている条件に、意図と感じる事、動く事と動かされる事、そういった体験をすることが重要になります。
 
 ここで呼吸・整体独自の考え方である生・待・応・従・納という5つの段階を忠実に体験することで身体のみならず精神も、というよりは心身が調和された状態をより強く作ることができます。
 
 自然呼吸というのは、その心身調整法の初歩段階にあります。
 
 
6、調和感覚での日常(呼吸のニュートラル®の深化)
 心身調和の体験から身体調整、心身調整を深化を続けていく中でそれを日常に本格的に取り入れることになります。
 
 その体験により、呼吸のニュートラル®によるYESとNOにおけるNOが少なくていることが体感できます。
 
 それをさらに突き詰めて、自分自身の行為の多くを調和した状態でおこなうようにします。
 
 この段階において、日常や自分の心身への不安は少なくなり、また自分に起こる様々な現象の理由がわかるようになります。
 
 また、自分の身体からのシグナル、精神からのシグナルを察知する能力が上がりますので不調の芽を早い段階で対処することができるなど、自信が生まれてきます。
 
 そして、何かに固執したり、囚われる事、自分自身に縛りをかける事、こだわる事、そうしたものが解き放たれます。
 
 解き放たれて初めて、自己という存在を発現し、縛りのない個性、こだわりが生まれるようになります。これが個人としての自立です。
 
 
7、養生思考の完成
 1~6の学習が自己にどれだけ落とし込めているかという事は思考や、思考に基づく発言から確認することができます。
 
 これが養生思考だ、というものはありません。
 
 しかし、体現できている人間とそうでない人間には思考や発現の質に違いがみられます。
 
 ここでは割愛しますが、割愛する理由は、その養生思考を無理に実践する必要はなく、それが自然に出るという形でなければ体現しているとは言えないからです。
 
 
8、まとめ
 こういった学習プロセスを経て、自分という存在を変化させていくわけです。